シラー・スール・グラニット 2021 750ml/ベルモン(コトー・リーブル)

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ベルモン(コトー・リーブル)


コトー・リーブルは2020年にポール・オーブレ・キュヴリエー(Paul Aublet-Cubelier)とマチュー・フルーリエ(Mathieu Fleuriet)の二人によりオーヴェルニュ地方の南、シヤックという小さな村に誕生したドメーヌです。ドメーヌの葡萄から造られたワインはドメーヌ名のコトー・リーブル(Coteau Libre)、買い葡萄から造られたネゴスワインは社名のベルモン(Sarl de Belmont)としてリリースされます。

彼らが所有する5.5haの畑は隣村のサン・プリヴァ・ドゥ・ドラゴンに位置しており概ね半分が森、産業としては農業が大半を占めます。しかしフィロキセラの襲来までは、農業に使用されていた土地の多くを葡萄畑が占めていたほどワイン造りが盛んな地域でした。このエリアは地層の構成上、葡萄畑は主にテラス型だったそうで、その痕跡が今も至る所に伺えます。この地に目をつけたのがポール。彼とマチューは、100年ほど前から森になっていた土地を2019年に開墾し、東から南へ曲線を描くように広がる美しい緩やかなテラス型の畑を作り上げます。この畑は標高約700mに位置し、辺りに人の気配はあまり感じられず、大自然の中で葡萄の木が伸び伸びと育つことの出来る素晴らしい環境にあります。しかし土壌は主に花崗岩と砂質が混ざった形で構成され保水性が乏しいため、近年急激に進行している気候変動に対応することが難しい弱点もあります。この対策として、南向きの区画には暑さに強いシラーとルーサンヌ、その他4品種は全て東向きの区画に植え、近年の気候に適応できる品種を適切な斜面の向きに植えて栽培する形を採用しています。「僕たちは好条件の元でこの畑を作ることができたが、土壌が非常に痩せているため収穫量は期待できない。その代わりに凝縮感と冷涼感が強いワインを造れる環境にあると思う。」とポールは話します。この様に一度はワイン造りの文化が無くなってしまったエリアで再びゼロからドメーヌを興し、ナチュラルワインを造る素晴らしいプロジェクトを実現させた二人の努力は将来大きく報われる事でしょう。

ポールは普段は気さくで明るいですが、畑やセラーにいる彼を観察していると、常に頭の奥底で何か深く考えている様子が伺えます。ワインにはこの地のテロワールと畑の特徴がダイレクトに反映されるよう丹精込めて畑作業に徹し、葡萄を完熟した状態で摘みます。その後は十分な時間をかけてワインを造り上げ、できるだけ整った良い状態でワインをリリースします。

ドメーヌ名のCoteau Libreは「自由な丘」という意味で、サン・プリヴァ・ドゥ・ドラゴン村がフランス革命後に自ら名付けた名前だそうです。この名前には、葡萄栽培において以前から存在する偏見や伝統、定められた規則などから自らを解き放ち、自身の手を始め本能や感性、考察などにより育てられた葡萄でワインを造りたいという願いが込められています。


シラー・スール・グラニット


シラー。ラトゥール・ド・フランス(ペルピニャンから西に30km)の北向きで標高400mに位置する、グラニット土壌の葡萄を使用。除梗した葡萄を3週間マセラシオン。600Lの樽で8ヶ月間発酵と熟成。2022年7月に瓶詰め。

紫がかった深紅の色合い。熟したブラックベリーや赤い果実のドライフルーツが混ざり合う果実香に、紫の花のドライフラワー、ビターカカオ、紅茶、土などを想わせる香りが加わり、かぐわしい果実の香りに深みや落ち着いた様子が感じられます。緻密感がありながら雑味のないミディアムタッチ。滑らかな舌触りですっと馴染むように口中へと沁み渡ります。口中では香りの印象よりも黒系果実のドライフールのニュアンスを感じ、ダージリンのように気品のある香り、ビターカカオやクローブの甘苦さ、カルダモンの清涼感、仄かなバニラの風味が円みやまろやかさを与えています。アタックの赤い果実の風味や鼻腔に抜けるグレナデンの香りが、充実感のある風味を口中に留めながら可愛らしい印象を引き立てます。エキスの詰まった果実味や深み、複雑性が感じられますが、不思議と重たさがなくスムーズな飲み心地の仕上がりです。(インポーターさん資料から抜粋)


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