ル・カノン ルージュ 2019 750ml/ラ・グランド・コリーヌ

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ラ・グランド・コリーヌ


大岡弘武(おおおかひろたけ)さんは、明治大学理工学部を卒業後フランスへ渡り、ボルドー大学醸造学部でワイン全般を学んだ後にローヌ最大手GUIGAL社の、ジャンルイ・グリッパが所有していたサンジョセフの区画における栽培責任者を務めました。その後、北ローヌ地方を代表する自然派ワインの生産者で最高のコルナスを造ることで知られるティエリー・アルマンに師事、最後は栽培長を任されるまでになりました。師アルマンとの出会いは、大岡さんが後にワイン造りを始めるにあたって決定的と言えるもので、ブドウ栽培から醸造に至るまでのほとんど全てにおいて影響を受けたようです。醸造での人的関与を必要最低限に留める自然なワイン造りを実践するために最も大切なことは良いブドウを育てることに尽きるのですが、花崗岩に覆われた急斜面で夏は極めて暑く冬が寒いコルナスにおいては、畑仕事に費やす労力はいっそう厳しいものになります。大岡さんは、アルマンの下で働くことにより栽培や醸造に関する考え方だけではなく、厳しい労働に耐える強靭な精神力も身につけたと言えます。自分の本拠地を北ローヌと決めた理由について、畑における労働が最も厳しい土地であったから、と語っていたことが印象的です。

現在大岡さんがフランスで所有する畑は、2006年より自ら開墾した始めた極めて急峻なコルナスの畑です。大岡さんの師であるティエリー・アルマン氏の畑より標高が高い場所に位置しており、ローヌ川が眼下に広がる、森に囲まれた日当たりの良い場所に位置しており、2011年がファーストヴィンテージとなります。他のブドウは、借りている畑、そして信頼のおける生産者から購入したもので構成されております。栽培はビオロジックを実践しており、除草剤や化学肥料は使用しません。農薬は化学合成薬品ではなく、硫黄(ビオディナミの認証団体である「デメテール」で認可されているもの)に限定し、使用回数も極力減らしております。また、2月から3月にかけて行う遅い時期の剪定で徹底して不要な芽を取り除き、遅霜の影響を大きく受けるリスクは高まりますが、青刈りが不要となる理想的な収量制限を実現できることも栽培における特徴的なことでしょう。「少量でも構わないから良いブドウだけを育てたい」、大岡さんの畑仕事における考えです。醸造においては、その土地に育つブドウが醸し出す、純粋かつ繊細な果実味を楽しんでいただくことを目的として、野生酵母による自然な発酵とビン詰めに至るまでの全ての過程において酸化防止剤を使用しないことが特徴です。そのため、単に収量が少ないだけではなく、収穫されたブドウを更に選別して傷んでいない果実だけを使った醸造を心がけています。

大岡さんは2017年より日本に拠点を移し、フランス・ローヌ地方サンペレの醸造場に加え岡山醸造場を稼働させ、ワイン事業を通じた日本の農業、地方活性化に向けて、岡山で新たな取り組みを始めています。


ル・カノン ルージュ


シラー100%。2017年以降のル・カノンはミュエル・モンジェルモン氏が醸造することになりました。(*2018年はル・カノンの醸造は行っておりません)

サミュエルはラ・グランド・コリーヌの設立に関わった人物で、今でも共同経営者としてドメーヌの運営に参画しています。ワイン関係の法律に詳しいだけでなく、シャトー・ヌフのとあるドメーヌにて醸造責任者を務めており、2017年以降ル・カノンはここで醸造されています。

ナチュラルワインの醸造においても経験は長く、かなり昔のことですが、サミュエルによるシャトー・ヌフ・デュ・パプ2003年のナチュールバージョンを飲んだことがあります。それは実にジューシーでスタイリッシュ、記録的な酷暑に見舞われた年にも関わらずエレガンスすら感じる素晴らしい味わいだったことを記憶しています。

サミュエルは十数年にわたりカノンを飲んで来た人で、大岡さんがどのように醸造しているかも熟知しています。彼が醸造した2017年は大岡さんが醸造した葡萄らしさの残る素朴なニュアンスも感じさせながら、どこか洗練された印象でした。

今回の2019年ヴィンテージに関しても、非常に綺麗で端正な仕上がりで、暑い年だったためアルコールは15%程あるにも関わらず、アルコリックな印象を全く感じさせない飲み心地。まさに2003年のシャトーヌフを飲んだ時に感じたものがフラッシュバックするような仕上がりで、これこそがサミュエルのワインに共通するスタイルなのだろうと思います。

手摘みで収穫後、除梗し2週間セメントタンクにてマセラシオン。プレスの後タンクで半年間の熟成。

やや紫がかった深紅の色合い。ブラックベリーやブルーベリーなどのコンフィチュール、ドライプルーンなどのような凝縮した香りに新鮮な黒系果実も混ざる印象で、それに加え紅茶の茶葉を想わせる香り高さが伺えます。口当たりは滑かで負担がなく甘い風味は控えめで、香りにあるような若々しい果実とジューシー感が広がりながら、明るいアタックの印象からアフターにかけて紅茶の風味やビターカカオ、仄かに木の皮のような芳ばしさときめの細かいタンニンが僅かに残り、芯のしっかりとした落ち着いた雰囲気が感じられます。全体を支えるしっかりとした酸が輪郭をつくりキリッとしたスマートな佇まいで、度数15%と高めの表示ながらもアルコール感は全く感じられないどころかむしろ冷涼感さえあり、軽いタッチにすら想わせる程良いミディアムの仕上がりです。(インポーターさん資料から抜粋)


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