フォルミケ
イタリア・ヴェローナで開催される世界三大ワイン展示会のひとつヴィニタリー。多くのワイン生産者やワインビジネス関係者が集まるイベントであるが、高額な参加費がネックとなり若手の新規生産者がブースを持つにはハードルが高い。そんな若手生産者を応援する目的で、同じくヴェローナで“Drink with Love”というイベントが開催されている。2022年が初回の比較的新しいイベントであるが、早くも才能ある若手生産者の登竜門イベントとして注目を集めている。そんな中で、ジャンシス・ロビンソン誌でイタリアを担当するウォルター・スペラー氏が「新世代のワインメーカーを代表するワイン」として絶賛したことで、デビューしたばかりのフォルミケはイタリア国内外で一気に注目を集める存在となった。
「一緒にワインを造ろう」シモーネ、ジジ、ディラン、そしてもうひとりのシモーネ。4人の友人はワインで高揚した気分にまかせ固いハグをした。しかし、ただお酒の勢いに任せ決めたわけではない。彼らには確信があった。自分たちなら素晴らしいワインを造れる。4人のうち3人はそれぞれ自分のワイナリーでワインメーカーとして働いており、1人は農学者としてワイン造りに関わる。シモーネとディランは大学で醸造を学んでいた時に同期として出会った。そしてもう一人のシモーネとジジは以前からの友人であった。そして同じくトスカーナに集結する前、彼らは世界のさまざまな場所で出会い、経験を共有してきた。もともとの友人であった彼らはこの経験をもとにより一層の結束を高めた。月に1回、夕食をとりながら様々なワインのブラインドテイスティングを行っていた。ああでもない、こうでもない、彼らはそれぞれのワイン造りを超えて、本音で意見を交わせる関係になっていった。彼らは皆、同じ感情、同じエネルギー、同じビジョン、同じ夢を共有していることに気づいた。「この仲間でワインを造りたい」4人それぞれの胸に小さな思いの種が芽を出し始めていた。
造るワインは2種類のみ。どちらもこの土地で古くから栽培されてきた白ブドウ品種アンソニカを使用している。シチリアではインツォリアと呼ばれるこの品種は、11世紀からトスカーナとその近郊の島々の海岸沿いに植えられてきた。晩熟で魅惑的な黄金色に輝く。この地では長い歴史を持つが、現代ワイン市場では凡庸な品種として重要視されず、多くがシャルドネなど国際品種に植え替えられてしまっていた。そのため、彼らの求める品質に達するアンソニカの畑はなかなか見つからなかった。し かし、彼らは妥協できなかった。「それぞれのプロジェクトとは別に自分たちが好きなワインを造る。ならば細部まで徹底的にこだわる。何しろアンソニカというブドウは僕たちと同じこの土地で育つブドウなのだから。」畑を探して2年以上が過ぎた。土壌の専門家であるディランはこのエリアの土壌組成を調査した。そしてアンソニカと相性が良いとされる赤い砂質土壌が顕著にみられる土地を発見した。ついに出会った2 haの畑。マレンマ海岸の南、カパルビオと呼ばれる町で、海からほんの数kmのところにある。樹齢30年以上のブドウの木は、非常に心地よい潮風を享受し、気温の急上昇を和らげ、一年中一貫して健全な苗木を保つのに役立っている。彼らは自分たちの手と剪定鋏、そして徹底的なこだわりを持ってブドウ畑を生き返らせた。
アンソニカ・インテグラーレ・コスタ・トスカーナ
【セパージュ】アンソニカ【アルコール度数】12.5 %【畑】コスタ・デッラ・アルジェンタリオ、海岸沿いの2 haの畑、ダブル・グイヨ仕立て、4,500本/ha、ビオディナミ栽培、収量5 t/ha、洪積世の海洋堆積物を含む赤い砂質土壌、樹齢30年【栽培・醸造】収穫は手摘み。ブドウの熟度で複数回に分けて収穫。除梗後、約10日間のマセラシオン。ステンレスタンクで自然発酵。異なる収穫分をブレンドし、使用済みバリックで6カ月熟成。清澄なし、軽い濾過を行い瓶詰め。
【コメント】外観は甘口ワインのような麦わら色。カリンやアプリコットなど、ビターオレンジなど果実と海を連想させる香りが深遠な層をなす。口に含むと、酸ときめ細やかなタンニンが、ビターオレンジのような苦味を伴いながら複雑に広がる。ラベルはポップだが、味わいはグランヴァンの雰囲気を纏っている。生産者曰く、2-3年は寝かせてほしいとのこと。(インポーターさん資料から抜粋)


