旭洋酒
もともと旭洋酒は栽培農家の組合としてスタートしましたが、栽培農家の減少などで共同経営が難しくなり、2002年、現在のオーナーである鈴木夫妻が引き継ぐことになりました。
旭洋酒のワインたちは、優しくてホッとできる太陽のようなワインを造りたいという夫妻の思いから「ソレイユ(太陽)・ワイン」と名付けられています。
「私たちは力強さを追求することよりもブドウの魅力を引き出した、柔らかな温かみの感じられるワインを目指します。」
ルージュ クサカベンヌ
山梨市日下部地区産マスカット・ベイリーA主体 ライトボディ 生産本数944本
日本のワインぶどうの父と言われる川上善兵衛氏が明治期に交配したマスカット・ベイリーAは病気に強く、温暖化によって降雨量が増大している近年、その耐湿性と収穫安定性で他の品種に抜きんでています。日下部(クサカベ)地区のベテラン果樹農家 手島宏之氏がワイナリーのすぐ近くで栽培するベイリーAはとりわけ管理が行き届いており、健全なまま完熟する優等生です。この畑のブドウをボジョレ・ヌーボーで御馴染みのマセラシオン・カルボニック法で醸造しフレンチオークで6か月熟成しました。
2021年、お盆の記録的長雨で皮の薄い欧州種は大きな打撃を受け、他の品種も熟度に影響が出ましたが弊社の契約畑ベイリーAは無傷。また、それまでの好天で生育が早まり、20年来初めて順序を他の赤品種と入れ替えての収穫となりました。糖度、酸度とも前年より高く収穫量も豊作でした。
軽く煮詰めたベリーのソースにカカオやユリの花、シナモン等のニュアンス。口中では最初に甘味、次いで適度な酸味を伴ったブラックチェリーなどのややジャミーな果実味が広がり、アフターの心地よい苦みが全体を引き締めます。渋みはないものの、重量感/安定感のあるヴィンテージ。
トンポーローやバクテーなどオリエンタルスパイスの効いた肉料理、タンドリーチキンやケバブ、デミグラスハンバーグやラザニアなどの濃い目の洋食などと◎チーズケーキやパンナコッタ、杏仁豆腐などのスイーツと合わせても美味しいです。
飲用適温15℃前後。無濾過・生詰のため澱が沈殿します。