旭洋酒
もともと旭洋酒は栽培農家の組合としてスタートしましたが、栽培農家の減少などで共同経営が難しくなり、2002年、現在のオーナーである鈴木夫妻が引き継ぐことになりました。
旭洋酒のワインたちは、優しくてホッとできる太陽のようなワインを造りたいという夫妻の思いから「ソレイユ(太陽)・ワイン」と名付けられています。
「私たちは力強さを追求することよりもブドウの魅力を引き出した、柔らかな温かみの感じられるワインを目指します。」
それいゆピノ・ノワール2022年のきろく
山梨市岩手(いわで)地区自社畑産ピノ・ノワール100%
生産本数509本
標高約450mの粘土質斜面にて棚式短梢剪定、不耕起草生栽培で樹齢は古い樹で22年になります。元々適地とは言えないこの地での栽培ですが、灰色カビ病対策のために花カス落としを励行、通気性素材の雨除け傘をかけて房の温度を低く保ち酸を残すなど、他品種よりも念入りな対策を講じてきました。収穫はブルゴーニュ系とスイス系の2系統につき、それぞれ樹ごと房ごとに熟度チェック、着色の悪い樹はロゼ用に分別し、赤ワイン用も二回に分けて収穫しています。
2019年頃から温暖化の影響が深刻となり、成績の悪い樹を伐採して他品種への切り替えを進めている中、2022年は休眠期に施した有機資材の影響でおおよそ半分の区画で芽吹きが阻害されるというアクシデントがありました。生育期の天候は6月中に一旦梅雨が明け、その後1週間以上、6月としては記録的(当時)な猛暑日が続きましがその後二回目の梅雨に突入、収穫期までずっと雨が多い年でした。その結果、最終的には前年より更に少ない一樽半(ハーフ樽使用)のみの生産量となっています。
醸造では全除梗後コールドマセレーションを行い、培養酵母を添加せずに野生酵母による醗酵を行っています(野生酵母による醗酵は全ワイン中このワインのみ)。またこの年は未熟な種の収れん味を抑える目的で醸し中の種抜きを行い、やわらかな果実味を引き出すように努めました。アルコール醗酵後は自然誘発によるマロラクティック醗酵が完遂され、その後9か月間フレンチオーク樽で熟成(新樽率33%)、春に一度滓引きし夏にノンフィルターで瓶詰しました。
オレンジがかった淡い色合い。焼き栗、金柑、乾燥した柿や枇杷の葉など、甘やかな中に乾いたグリーンノートが柔らかく香る。口中ではサンザシや無花果を思わせる穏やかな果実味が、上級茶のような緩やかなタンニンを纏って伸びゆきます。余韻は長く、アフターに金柑ピール様の心地よい苦み。
淡い色合いと軽い飲み口ながら、細く長くつづく旨味があり、和の出汁とよく合います。鴨南蛮、そばがき、明石焼き、出汁巻など。柿とカッテージチーズ、合鴨ソテーオレンジソース、イチジクの白和えなど、ライトな赤ならではの生のフルーツを使った料理もお薦めです。大きめのグラスで鴨焼きや熟成鮨、トリュフ入りのチーズとも◎
飲用適温15℃前後。無濾過生詰のため滓や酒石が沈殿します。(ワイナリーさん資料から抜粋)
お一人様1本でお願い申し上げます。