旭洋酒
もともと旭洋酒は栽培農家の組合としてスタートしましたが、栽培農家の減少などで共同経営が難しくなり、2002年、現在のオーナーである鈴木夫妻が引き継ぐことになりました。
旭洋酒のワインたちは、優しくてホッとできる太陽のようなワインを造りたいという夫妻の思いから「ソレイユ(太陽)・ワイン」と名付けられています。
「私たちは力強さを追求することよりもブドウの魅力を引き出した、柔らかな温かみの感じられるワインを目指します。」
それいゆ シラー
温暖化対策のため、標高500mの自社畑で2008年より一文字短梢棚式で栽培しているシラー。ピノ・ノワールほど密着粒ではありませんが果皮が薄く、収穫前の降雨で割れやすいデリケートな品種です。近年、品種香の一つである「胡椒の香」が、多雨の日本で作られたワインにより多く含まれる事が判り注目されています。日本でのワインブドウ栽培において重要な品種と考えています。
2019年は芽吹きが比較的遅く、夏から秋まで、雹や台風も含めとにかく雨が多い年でした。糖度が上がるのをぎりぎりまで待って収穫したところ晩腐病が多発し、収穫量は前年比4割減となってしまいました。病果を取り除くため大人数で臨んだ収穫当日も降雨があり、時折中断しながら何とかやり遂げた思い出深い年です。
樽熟期間9ヶ月、新樽率50%(フレンチオーク100%)
抜栓直後は樽香が支配的ですが、時間の経過とともに、ベーコンやコーヒーなどロースト香の中から、熟したマルベリーなどの黒いベリー香が黒胡椒のニュアンスとともに湧き上がってきます。口中は、やや硬めのタンニンとフレッシュプラム様の果実感が拮抗していますが(リリース現在)、味わいの伸びはよくドライフルーツやカカオなどの余韻が長く続きます。適度な酸があるため、熟成によって要素がより溶け合い、複雑で奥行のある味わいとなる事が大いに期待されます。
羊や豚、豆などの煮込み料理、ベーコンや熟成肉、パイ包み焼などと。飲用適温16℃前後。無濾過生詰のため澱や酒石が沈殿します。
生産本数624本