シャトー・ド・プラド
ボルドー市の東30km、サンテミリオンの小高い丘に隣接するかたちでコート・ド・カスティヨン地区があり、その丘の中腹、ル・ブルグというコミューン(村)にシャトー・ド・プラドがある。畑は全て南向きの斜面に位置し、畑から東に目を向けると、斜面がそのままサンテミリオンのグランクリュ畑に通じているのが分かる。土壌はサンテミリオングランクリュ畑とほぼ同質でアルジロ・カリケールが主体。気候は温暖な海洋性気候で、冬でも気温は穏やかで霜の被害は少ないが夏は暑い。大⻄洋が運ぶ湿度が内陸に比べて少し高いのが難点。
シャトー・ド・プラドは、フルニエ家3代に渡って続く生粋のビオロジックブドウ栽培農家で、現オーナーのベルナール・フルニエは、幼少の頃から常にビオやナチュラルなもの(たとえば食べ物や動物)に囲まれた環境で育った。父イスネル・フルニエを最も敬愛する彼は、幼い頃からすでにワインづくりに興味を抱き、父のあとを継ぐことを決意する。1972年高校を卒業してすぐにジロンド県にあるワイン学校(BEP)で学び、同時に彼の父の所有する畑の仕事を手伝いながらワインに関わる様々な経験を積んでいく。1989年、実質父に代わりに経営を任されていたベルナールは、ワイナリーを「シャトー・ド・プラド」として正式にシャトー登録し、本格的なワインづくりに取り組む。そして、2001年、父のビニョロン引退を機に、20haあった畑を弟のアランと兄弟で分け合い、ベルナールはそのうちの12haの畑と醸造所を譲り受ける。同時にその年の2月、彼は1ha分の畑を新たに購入。計13haの畑とシャトーを引継ぎ現在に至る。
現在、ベルナール・フルニエは13haの畑を息子と従業員の3人で管理している。(収穫時は17人の季節労働者が手伝う。)彼の所有するブドウ品種は、メルロー、カベルネフラン、カベルネソービニヨン、そしてセミヨンの4品種で、樹齢は20〜30年。品質にこだわったコストパフォーマンスの高いワインを造ることが彼のモットーで、フランスワインの生産コストが年々上昇する中、彼は20年間ワインの価格を一切変えていない。まわりのビニョロンが経費削減などの理由で、機械収穫に変えたり、農薬の散布を許しても、彼は逆に、ワインの品質落とさないよう頑なにビオ農法と手摘み収穫にこだわる。ワインの醸造もSO2の添加を極力避け、ブドウそのものの美味しさがわかるよりナチュラルなスタイルのワインを追求する。まさに手作りの味をリーズナブルに伝える、ボルドーでは非常に珍しい職人気質のビニョロンだ!
ブラン・モワルー(白甘)
セミヨン。収穫日は10月20日。収量は厳しく10 hL/ha。SO2は瓶詰め時に添加。残糖は110g/L。再発酵防止のため、しっかりとフィルターをかけている!
色は綺麗な黄金色。熟したパイナップル、杏子のコンポート、ハチミツの香り。ワインはまったりとしながら清涼感があり、ネクターのような心地よい甘さの中に繊細な酸と綺麗ななミネラルがバランスよく溶け込む!(インポーターさん資料から抜粋)